Loading image. Please wait
ワイナリーヴィレッジ・イン・余市
北海道の温暖な日本海流に面した余市町、二木町周辺は昔から果樹栽培に適した地域で、従来りんご、なし、もも、ブドウ、イチゴ等、多数の栽培農家が生産を続けてきた。特に戦後間も無くから昭和末期に掛けて大いに栄えてきた。穏やかな起伏の続く丘陵地帯に栽培農家が点在する風景はヨーロッパのワインブドウ畑の続くなだらかな景色と共通する。
近年、経済成長の鈍化と農業従事者の減少に伴い、国の地産地消法に基付く6次産業化事業第一号として、「OcciGabiワイナリー」が事業化された。2012年に第一期工事の本館棟(醸造工場、ホール棟、レストラン棟、住居棟)が開始した。冬季の多雪と気温の低下に備え、木造大断面構造による堅牢な躯体形成と、高気密・高断熱による屋根外壁の分厚な構成を基本とし、周囲の穏やかな丘陵地形に同化することを意図した流線形の建物形態が、ワイン谷の将来のシンボルとなるよう設計されている。

北海道余市町(2013年)